腕が上がらない
「腕が上がらない」とき、痛みによる場合もありますが、肩の筋肉が傷んでしまい手術が必要となることもあります。「腕が上がらない」ときの状態、原因、診断方法、そして治療について詳しく説明します。
腕が上がらないなど
症状が生じるとき
「腕が上がらない」状態は、以下のような日常生活でよく見られる状況で感じることがあります。
①洋服を着るとき
腕を上げて洋服を着る動作が困難になります。
②物を棚にしまうとき
特に高い棚に物を置くことが困難になります。
③スポーツをするとき
バレーボールやバスケットボールのように、腕を上げる動作が必要なスポーツが困難になります。
④髪を整えるとき
特に長い髪の人にとっては、髪をまとめることが困難になります。
⑤物を掴むとき
腕を伸ばして物を掴む動作が困難になります。
⑥肩こりや痛み
肩を動かすときに痛みが伴い、それが原因で腕が上がらなくなることがあります。
⑦力が入らない
腕に力が入らず、それが原因で腕を上げることができない状況があります。
肩が上がらなくなる
原因・疾患
「腕が上がらない」症状の原因となる疾患には以下のようなものがあります。
①五十肩(肩関節周囲炎)
関節の動きを制限し、腕が上がらなくなります。
②肩関節脱臼
関節が外れてしまうと腕が上がらなくなります。
③腱板断裂
肩の筋肉や腱が損傷すると、腕が上がらない症状が現れます。
④神経麻痺
特定の神経が機能しなくなると、腕が上がらない症状が出ます。
⑤頚椎症状
頚椎の異常が神経を圧迫し、腕の動きを制限します。
⑥骨折
上腕骨や肩骨の骨折は、腕の動きを制限します。
⑦関節リウマチ
この自己免疫疾患は関節に炎症を引き起こし、腕の動きを制限します。
診察・診断方法
腕が上がらない状態を診察・診断する方法は以下の通りです
①医師の診察
医師は症状の始まり、進行の速さ、痛みの存在、他の症状(感覚異常など)等を聞き取ります。
②画像診断
X線、MRI、CTなどを用いて肩や腕の構造を詳細に調べ、疾患の原因を探します。
③神経伝導検査
特定の神経が正常に機能しているかを確認します。
※腕が急に上がらなくなった場合、または痛みが伴う場合は、当院へご相談ください。
治療について
「腕が上がらない」症状の治療には以下のような方法があります。
①薬物療法
痛みを和らげるための薬や、炎症を抑える薬が使用されます。
②リハビリ
肩の動きを改善するためのストレッチングやエクササイズが行われます。
③注射療法
ステロイド注射が用いられ、痛みと炎症を抑えます。
腕が上がらない時の予防法
肩回りから首にかけてストレッチ
首から肩にかけての血流が低下すると、筋肉が硬くなり、こりが生じます。日ごろから肩から首にかけてのストレッチをしたり、肩を回す運動をすることで、血流の低下を防ぐことができます。 ※すでに強い痛みが現れている場合には、無理に動かさないようにしたまま、医療機関を受診してください。
睡眠時の姿勢の改善
寝る時の姿勢が悪いことで、血流が低下したり、筋肉が硬くなることで、肩に痛みが出ることがあります。 理想的なのは、上仰向けで寝ることです。寝返りがあっても、トータルで見ると寝入る時の姿勢でいる時間が一番長くなります。横向きでないと寝付けないという人は、日によって右肩を下にする・左肩を下にするといった工夫をしましょう。
身体を冷やさない・入浴する
身体の冷えは、血流が低下したり、筋肉が硬くなる原因になります。クーラーの効いた部屋では、肩や首を冷やさないよう、一枚羽織るようにしましょう。 また、夏場もお風呂の際にはお湯に浸かり、肩を含め全身を温めるのがおすすめです。
姿勢の改善
座るとき、立っている時の姿勢が悪い場合には、その見直しを意識しましょう。血流が改善することで、肩の痛みやこりが発生しにくくなります。 特にスマートフォンを使用する場合には、できるだけ顔の高さに掲げるようにし、首や背中が丸くならないようにしてください。
食習慣の改善
肉類、甘いお菓子、アルコールなどの摂り過ぎは、四十肩や五十肩のリスクを高めると言われています。 それらを摂りすぎないことを意識しつつ、バランスの良い食事を摂りましょう。
肩が上がらないと
お悩みの方は
当院までご相談ください
「腕が上がらない」状態は、さまざまな原因により引き起こされます。そのため、適切な治療を受けるためには、まずは症状の原因を正しく診断することが重要です。また、症状が続く場合は急にご相談ください。