足外来とは
足外来では、整形外科の中でも腰から下を専門的に診療します。具体的には、腰、股関節、大腿、足首、足指などの関節、筋肉・骨・腱・靭帯が診療の対象となります。
立っている時・歩いている時には常に足には負担がかかっており、この足に何らかの問題が生じた時には、立つ・歩くことに支障が出たり、痛みで動かせないといった事態に陥ります。
足外来は、患者様のQOLと密接に関係している足の健康・機能を守るための場所ですので、ちょっとした症状・お悩みであってもお気軽にご相談ください。
足の主な症状・疾患
足(脚)の主な症状
以下のような症状がございましたら、お早めに当院にご相談ください。
- 立つ、歩く、走るといった動作の際の足の痛み
- 起床後に足が痛むが、しばらくすると治まる
- 足首、足指の関節の痛み、こわばり
- 足の倦怠感、違和感
- 大腿やお尻、膝の痛み
足(脚)の主な疾患
主に、以下のような疾患を取り扱います。
変形性股関節症
軟骨のすり減りによって、股関節が変形してしまう疾患です。歩き始め・立ち上がり時に脚の付け根やお尻に痛みが出ます。進行すると、安静時にも痛みが出るようになります。
先天性股関節脱臼の既往がある人に発症しやすい傾向が認められます。
股関節脱臼
大腿骨頭が、骨盤のくぼみから外れてしまった状態です(外れかけているものは亜脱臼)。
主に、スポーツや交通事故、転倒・転落の際の強い衝撃を原因とします。脚の付け根にひどい痛みが出ます。
早期に治療(整復)を行わなければ、大腿骨頭壊死に至ることがあります。
大腿骨近位部骨折
大腿骨の骨盤側に起こる骨折のことを指します。
ひどい痛みに襲われ、立つ・歩くことができません。すぐに整形外科を受診してください。
関節リウマチ
手指、手首、肘、肩、膝、足首、足指などの関節の炎症・腫れ・痛みなどが見られる病気です。
痛みやこわばりは、朝方に強くなる傾向があります。進行すると関節の変形が起こります。現在では生物学的製剤なども登場し、以前より予後が良くなっています。
特発性大腿骨頭壊死症
大腿骨の骨盤側、大腿骨頭が壊死する病気です。
壊死により、脚の付け根、腰、お尻、膝などに突然、強い痛みが現れます。
腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症
背骨のうち、腰部の骨を「腰椎」と言います。
腰椎で起こる椎間板ヘルニアを「腰椎椎間板ヘルニア」、腰部で起こる脊柱管狭窄症を「腰部脊柱管狭窄症」とそれぞれ呼びます。
腰椎椎間板ヘルニア
椎骨と椎骨のあいだにありクッションの役割を果たす「椎間板」に亀裂が入り、中の組織が飛び出してしまう病気です。
腰痛、脚の痛みを伴います。
腰部脊柱管狭窄症
背骨の中にあり神経が通るトンネル「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫される病気です。
脚の痺れや痛み、間欠跛行などの症状を伴います。
ATFL損傷
足関節の外側にある靭帯の1つ「前距腓靭帯(ATFL)」が損傷した状態です。外くるぶしの前方の痛みと腫れを主な症状とします。プレー中のスリップ、着地の失敗などによって足首をひねった時などに起こりやすい外傷です。
三角骨障害
足関節の後方にある「三角骨」は、足の構造としては特に意味を持たない“過剰骨”です。通常は無症状ですが、足首を伸ばす運動の繰り返しによって三角骨で炎症が起こることがあります。足首の痛みや腫れなどの症状を伴います。
後脛骨腱炎
足の内くるぶしの後方から下方にかけて存在する「後脛骨筋」で炎症が起こっている状態です。ウォーキング・ラン・ジャンプなどの運動、長時間の立ち仕事などを主な原因とします。症状としては、内くるぶし後方の痛みや腫れなどが挙げられます。
偏平足
偏平足とは、足裏の内側にあるアーチ(土踏まず)が崩れ、足裏が扁平になった状態です。運動時に疲れやすくなる、転びやすくなるだけでなく、不良姿勢、膝・腰の痛み、外反母趾、X脚などを引き起こす可能性が高くなります。
開帳足
開帳足とは、足の指の付け根の骨が、扇状に開いている変形のことを指します。足の指が左右に広がるため、足幅も広くなります。指を含めた足の前側の痛みが出ることもあります。筋力低下、幼少期の運動量の不足、ヒールの高い靴を履く習慣などが原因と言われています。
股(股関節)の主な症状・疾患
股(股関節)の主な症状
- 股関節の痛み
- 股関節の痛みで歩くのが苦痛
- 股関節を動かす時の引っかかる感じ
- 歩く、走る時の股関節の痛み
- 座った時の股関節の痛み
- 下肢全体の広い痛み
- 左右の脚の長さが違う
- 長く歩くと股関節に違和感が出る
- ボールを蹴る時の股関節の痛み
股(股関節)の主な疾患
変形性股関節症
股関節の軟骨が擦り減り、動きの制限や痛みが生じる病気です。
進行すると関節に変形が起こり、痛みが強くなります。脚を組む、あぐらをかくといった特定の姿勢で痛みが出たり、左右の脚の長さが違ったりといった症状が見られることもあります。
大腿骨頭壊死
股関節の血流と酸素が不足し、大腿骨頭が壊死してしまう病気です。変形性膝関節症へと進展することもあります。
股関節やお尻、脚に強い痛みが出ます。
単純性股関節炎
突然の股関節や下肢の痛み、歩行困難などの症状を伴う、子どもに多い病気です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、安静にしておくことで多くは自然治癒します。
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)
下肢のオーバーユースを主な原因として、脚の付け根(鼠径部)に痛みが出る病気です。特に、利き脚に負荷がかかるサッカーなどのスポーツをしている人に多く発症します。
歩行時・走行時、キック時の鼠径部や下腹部の痛みがあります。
股関節脱臼
大腿骨頭が、骨盤のくぼみから外れてしまった状態です(外れかけているものは亜脱臼)。
主に、スポーツや交通事故、転倒・転落の際の強い衝撃を原因とします。脚の付け根にひどい痛みが出ます。
早期に治療(整復)を行わなければ、大腿骨頭壊死に至ることがあります。
股関節唇損傷・大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)
多くの股関節唇損傷は、大腿骨頭と寛骨臼がぶつかる大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI )を原因として発症します。股関節は全身の関節の中でも特に運動量が多く、また体重がかかりやすいため、FAIが起こりやすくなります。
股関節唇損傷を発症すると、股関節が引っかかる感じ、関節がズレる感じなどの症状が見られます。
膝の主な症状・疾患
膝の主な症状
以下のような症状がございましたら、お早めに当院にご相談ください。
- 膝の痛み、腫れ、不安定感
- 膝を曲げにくい、伸ばしにくい
- 膝の痛みで正座ができない
- 立ち座りの際の膝の痛み
- 安静時の膝の痛み
- 膝関節の変形
- 膝の皿の下の骨が出っ張っている
- 膝が抜けそうな感覚がある
- 膝がガクッと折れてしまう
- 膝に力が入らない
膝の主な疾患
変形性膝関節症
主に加齢を原因として軟骨が擦り減ることで、膝関節の炎症や痛みが出る病気です。進行すると、膝関節の変形が起こります。
悪化すると安静時にも痛みが続くようになり、歩行が困難になるケースも見られます。膝の痛みを「年齢のせい」と諦めず、お早めに当院にご相談ください。
膝前十字靱帯(ACL)損傷
スポーツ中の転倒や接触、交通事故などの強い衝撃によって、前十字靱帯が損傷した状態です。
膝のグラつき・不安定感、ガクッと膝が落ちる、膝の痛みなどの症状を伴います。
膝半月板損傷
急なストップ・ターンの動作、ジャンプ後の着地の繰り返しなどによって、膝のクッションの役割を果たしている線維軟骨「半月板」が損傷した状態です。
膝の痛みや引っかかる感じ、屈伸の困難などの症状を伴います。
オスグッド・シュラッター病
膝の使い過ぎによって脛骨粗面が隆起し、痛み、腫れといった症状を伴う病気です。スポーツを頑張る小中学生に好発します。
少し休むと痛みがなくなる傾向があるため、受診が遅れがちです。放置すると、装具療法、場合によっては手術が必要になることもあります。オスグッド・シュラッター病は、いわゆる「成長痛」とは全く違うものです。
内側側副靭帯損傷
膝の外側に大きな衝撃を受けることを主な原因として、膝の主要な靭帯の1つである内側側副靭帯が損傷した状態です。膝の内側の痛み・腫れ、可動域が狭くなるといった症状が見られます。重症例では、歩行が困難になります。ラグビー、アメフトなどのコンタクトスポーツで特に起こりやすい外傷です。
外側側副靭帯損傷
膝の内側に大きな衝撃を受けることを主な原因として、外側側副靱帯が損傷した状態です。膝の外側の痛み・腫れ、可動域が狭くなる、歩行困難などの症状が見られます。内側側副靭帯と同様にコンタクトスポーツで起こりやすい外傷ですが、「膝の内側に人や物がぶつかる」ということがスポーツ中に起こりにくいため、頻度は高くありません。
足(股・膝・足関節)に
違痛み・違和感のある方は
当院へご相談ください
股関節や膝関節、足関節の痛みは、立つ・座る・歩く・走るといった運動を困難にし、日常生活に支障が出たり、スポーツを思い切り楽しめないといったことで、QOLを低下させます。
特に膝の痛みは、「年齢のせい」と諦めてしまいがちです。確かに変形性膝関節症などは加齢もリスクとなりますが、早期に適切な治療を行うことで、その機能を維持したり、痛みを取ったりといったことが可能です。
毎日を健康に、明るく元気に過ごすためにも、「おかしいな」と感じた時には、お気軽に当院にご相談ください。