膝の新たな治療法
(再生医療:APS療法・PRP療法)

自己治癒力によって
修復能力を高める
再生療法とは

自己治癒力によって修復能力を高める再生療法とは再生医療とは、病気・ケガなどによって失われた身体の組織を再生する医療の総称です。
さまざまな分野で研究が進んでいますが、整形外科領域ではPRP療法やAPS療法が注目を集めています。既存の薬物療法、手術にはできない、驚くほど良好な経過が得られることも増えてきました。
現在、平均寿命が伸びる一方で、病気・ケガなどで健康寿命が損なわれてしまうケースは少なくありません。PRP療法やAPS療法は、さまざまな整形外科疾患においてその効果を発揮し、健康寿命、あるいは選手寿命の伸延とQOLの回復を目指すことのできる治療です。
なおPRP療法・APS療法は、採血・注射のみの治療であり、麻酔・切開はありません。また、初診でお越しになった日の診察と施術日は別日となります。

筋・靱帯・腱の疾患に効果的なPRP療法(多血小板血漿 )

患者様の血液を少量(50ml程度)採取し、遠心分離機にかけて血小板を濃縮したものが「PRP(多血小板血漿)」です。
PRP療法では、このPRPを患部に注射することで、PRPに含まれる成長因子が働きかけ、筋・靭帯・腱といった組織の修復を促します。

※現在PRP療法は自由診療となります。(金額についてはお問い合わせください。)

対象となる主な症状や疾患

  • 変形性膝関節症
  • 繰り返す手足の痛み
  • 運動やスポーツによる疾患(野球肘、ゴルフ肘、テニス肘など)
  • 足底筋膜炎
  • 腱鞘炎
  • 腱板損傷
  • 肉離れ
  • 捻挫 など
PRP療法
主な対象疾患 筋、腱、靭帯損傷・変形性膝関節症など
採取するもの 本人の血液
50ml程度
投与日 当日
麻酔 なし
効果の実感 約1ヶ月程度から実感

ひざ関節に効果的なAPS療法(自己タンパク質溶液 )

患者様の血液を少量(50ml程度)採取し、遠心分離機にかけることでまずはPRPを作ります。PRPをさらに遠心分離・加工して成長因子やタンパク質を高濃度で抽出したものが「APS(自己タンパク溶液)」です。
APS療法では、このAPSを患部に注射することで、変形性膝関節症などに伴う痛みの軽減、組織の修復を図ります。

※現在APS療法は自由診療となります。(金額についてはお問い合わせください。)

対象となる主な症状や疾患

  • ひざ関節の慢性的な痛み
  • 変形性膝関節症

APS療法では、レントゲン検査における関節の変形の評価において、5段階中2~4に該当するケースを主な対象となります。
変形性膝関節症で言えば、薬物療法では十分な効果が得られない、しかし手術をするほどでもないという方が、良い適応となります。

APS療法
主な対象疾患 関節・変形性膝関節症など
採取するもの 本人の血液
50ml程度
投与日 当日
麻酔 なし
効果の実感 約1ヶ月程度から実感し始め、
3ヵ月後が最も高い効果を実感している方が多い

再生療法の流れ

PRP療法もAPS療法も、基本的な治療の流れは変わりません。
※当院では患者様に最適な治療をご提案するため、ご説明・ご納得いただいた上で治療を行っていますので初診・当日に施術は実施しておりません。
※あらかじめ診察のご予約段階で再生医療希望と記載していただけると、スムーズにご案内する事ができます。

1ご予約

WEB予約まずは、お電話またはWEBからご予約ください。
ご予約なしでも受診していただけますが、その場合は待ち時間が長くなることがございます。当日でもできる限り、ご予約されることをおすすめします。

2問診・診察

ご来院後、問診票にご記入いただきます。
医師が問診票を拝見し、必要な検査・診察を行います。その上で、PRP療法、APS療法の適応となるかどうかを判断します。

※PRP療法、APS療法より先に検討すべき治療(薬物療法、リハビリテーション、ヒアルロン酸注射等)がある場合には、そちらをご提案します。

お持ちいただくもの

  • 保険証
  • お薬手症

    ※紹介状、他医療機関での検査画像などがございましたら、一緒にお持ちください。

3事前説明

PRP療法、APS療法の内容、メリット・デメリットについて詳細をしっかりとお時間かけて、ご説明させていただきます。
お伝えした上で、患者様にご理解・ご納得いただけましたら、施術日の決定します。


4施術当日(採血・治療)

施術当日に同意書にサインをいただきます。
その後、患者様から血液を少量採取し、遠心分離・加工などを経て、患部へと注射投与します。

1. 採血

PRP療法、APS療法ともに50ml程度、血液を採取します。

2. 血液を装填

遠心分離機のボトルに、採取した血液を装填します。

3. 遠心分離

遠心分離機を稼働させ、遠心分離します。
※少し時間がかかるため、待っている間にアンケートのご記入をお願いしています。

4. 抽出

専用の装置で、PRP(多血小板血漿)を抽出します。
※APS療法の場合は、PRPをさらに遠心分離・加工して、APS(自己タンパク溶液)として抽出します。

5. 患部への投与

患部へと注射投与します。

5アフターフォロー

治療後3~4日

PRP療法・APS療法は、意図的に急性の炎症を起こすことで組織の再生を促進します。そのため、治療後には必ず痛みが出て、少し腫れます。痛み止めを処方いたしますので、痛みが出た時にお飲みください。
ほぼ普段通りの日常生活を送ることができますが、激しい運動はお控えください。また入浴は治療当日から再開できますが、数日間はぬるめのお湯にし、長風呂・サウナは避けてください。

治療後1週間程度

痛みが和らぐ頃です。軽いストレッチなどから、徐々に身体を動かしましょう。
適度に身体を動かした方が、機能の回復が早まります。

治療後1ヶ月程度

痛みが完全になくなる頃です。
このタイミングでご来院いただき、患部のチェック、機能の確認などを行います。回復が十分でない、痛みがあるという場合には、再度PRP療法・APS療法を行うことも検討します。

副作用や注意事項

患者様ご自身の血液を使用することから、重大な副作用はほとんどありません。
一般に、以下のような副作用が起こることがあります。

  • 治療後数日間の注射部位の痛み、腫れ、熱感
  • 採血部位、注射部位の皮下出血

再生療法のQ&A

PRP・APS治療は治療後に痛みがあるとのことですが、体を動かす仕事に支障はありますか? 
また、いつから復帰できますか?

多くの方は、治療を受けた数時間後から痛みが強まり、翌日にピークを迎えます。その後は徐々に痛みが引いていきます。このことから重い物を持ち運ぶなどの重労働をされているのであれば、治療後から2日程度は仕事を休んだ方がいいと思います。歩くことが多い仕事であれば、あまり歩かなくても良いようなスケジュールを組んでいただいた方がいいと思います。

変形性膝関節症でヒアルロン酸注射を繰り返しましたが、先日手術を勧められました。
この場合、PRP治療で治すことはできますか?

PRP・APS治療では、関節の変形を治すことはできません。変形が極端に強い場合は、人工関節置換術などの手術を行った方が痛みが早く楽になることがあります。ただし、変形が強い方でも再生医療(PRP・APS治療)で痛みを制御することができ、数ヶ月おきに注射を続けることで余暇を楽しんでいる方もいらっしゃいます。PRP・APS治療を行なっても、手術を受けることはできますので、一度試してみることも可能です。

PRP・APS治療もヒアルロン酸注射のように効き目が切れたら何回も打ち直す必要がありますか?

1回の治療で痛みの原因を完全に取り去ることができれば、何回も治療する必要はありません。しかし損傷範囲が広い場合や程度が強い場合は、複数回の治療を必要とする場合があります。また、一度良くなったとしても、関節などへの負担が続けば再びダメージを与えることになり、再度PRP・APS治療が必要になってしまいます。このようなことを防ぐためには、適切な運動やリハビリをおこなう必要があります。

PRP・APS治療の際、気をつけることはありますか?

治療後には、必ず痛みが出てしまいます。急性の「炎症を起こす」ことで自然治癒を促すためです。したがって1〜2日は安静にしておくことが望ましいです。ただし、安静にしすぎると、治療箇所が硬くなって痛みが出てしまうこともあります。そのため、治療後のトレーニングがとても重要になります。

年齢や性別で効果に違いはありますか?

ありません。年齢や性別によって違いはなく、年齢制限もありません。