- 手に力が入らない
- 手に力が入らないなど症状が生じるとき
- 手に力がはいらなくなる原因・疾患
- 診察・診断方法
- 治療について
- 手に力が入らない時の受診の目安とは
- 手に力が入らないとお悩みの方は当院までご相談ください
手に力が入らない
「手に力が入らない」とき、腱鞘炎やばね指のように手や指自体の痛みが要因のときと、手指に至る神経の圧迫が要因の場合があります。この記事は「手に力が入らない」ときの状態、原因、診断方法、そして治療について詳しく説明します。
手に力が入らないなど
症状が生じるとき
「手に力が入らない」状態は、以下のような日常生活でよく見られる状況で感じることがあります。
①瓶を開けるとき
瓶の蓋に力を入れて開けようとすると、うまく開かないことがあります。
②ペンを握るとき
ペンをしっかりと握ることができず、文字が書けないことがあります。
③重い荷物を持つとき
重い荷物を持ち上げるとき、手から滑り落ちてしまうことがあります。
④ドアノブを回すとき
ドアノブを回してドアを開ける動作がうまくできないことがあります。
⑤食事をするとき
箸やフォークを使って食事をすることが難しいことがあります。
⑥ボタンを留めるとき
シャツのボタンを留めるときに困難さを感じることがあります。
⑦細かい作業をするとき
縫い物や絵を描くといった細かい作業がうまくできないことがあります。
手に力がはいらなくなる
原因・疾患
「手に力が入らない」症状の原因となる疾患には以下のようなものがあります。
①腱鞘炎
腱(筋肉を骨につなげる組織)が繰り返し使われることによる過度のストレスにより、炎症や損傷が起こることがあります。これは特に手の筋肉を頻繁に使う人々に一般的で、手の力が弱まる可能性があります。
②関節リウマチ
これは免疫系が誤って自分の体を攻撃し、手の関節に慢性的な炎症を引き起こす疾患です。結果として、関節は腫れ、痛みを感じ、そして力を発揮する能力が低下します。
③母指CM関節症
手の親指の根本にある関節が変形し、痛みを引き起こす病気です。CM関節は親指が他の指と対向することを可能にするため、この関節が炎症を起こすと、手の握力や精密な動作に影響を及ぼすことがあります。
④神経圧迫症候群
手の感覚や動きを制御する神経が圧迫されると、痛み、感覚異常、そして筋力の低下を引き起こすことがあります。
⑤骨折や脱臼
手の骨が折れたり、関節が脱臼したりすると、手の機能が損なわれ、力が発揮できなくなる可能性があります。これらの疾患は通常、事故やスポーツ中の怪我などにより発生します。
診察・診断方法
「手に力が入らない」と感じたときには、以下の診察・診断方法で症状の原因を調べることがあります。
①医師の診察
医師は手の痛みや脱力の程度や発症のタイミング、具体的な手の痛みやしびれ・感覚異常の位置、動作時の変化などを確認します。
②画像診断
X線、MRI、CT、エコーなどを用いて手の構造を詳細に調べ、疾患の原因を探します。
③神経伝導検査
特定の神経が正常に機能しているかを確認します。
※手の痛み、神経の圧迫が要因の場合がありますが、手の痛みが強かったり、手の力が弱まるとともに、手の感覚異常やしびれがある場合、専門医の診察を受けてください。
治療について
「手に力が入らない」症状の治療には以下のような方法があります。
①薬物療法
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛薬を使用して痛みを和らげます。
②リハビリ
ストレッチングやエクササイズを通じて手の筋力を強化し、機能を改善します。
③注射療法
痛みと炎症を軽減するためのステロイド注射などがあります。
手に力が入らない時の受診の目安とは
仕事やスポーツなどで疲労困憊している時、起床直後など、誰でも「手に力が入らない」ということがあります。このように明らかに原因があり、時間とともに力が入るようになるのであれば、通常は心配いりません。 ただし、以下のような場合には、早めに整形外科を受診するようにしてください。
- 身体は元気なのに、手に力が入らない
- 手に力が入らない状態が何日も続いている
- 手の筋肉が明らかに痩せてきている
- 気づかないうちに持っていたものを落とす
- 腕、手、手指に痛み、関節の腫れ、変形などの他の症状がある
手に力が入らず、さらに以下のような症状がある場合には、救急外来を受診してください
- 呂律がまわらない
- めまい
- 吐き気、嘔吐
- 物が二重に見える
- 身体の片側の麻痺、痺れ
上記のような症状が付随する場合には、脳卒中など、命にかかわる重大な疾患を発症している可能性があります。
手に力が入らないと
お悩みの方は当院まで
ご相談ください
「手に力が入らない」状態は、さまざまな原因により引き起こされます。そのため、適切な治療を受けるためには、まずは症状の原因を正しく診断することが重要です。また、症状が続く場合は早急にご相談ください。