手外科とは
手外科では、上腕、肘関節、前腕、手関節(手首)、手、指などを専門的に診療します。
これらの器官の痛みのないスムーズな動作は、私たちの生活には欠かせないものです。痛みを初めとする症状に見舞われると、さまざまな場面で辛い想いをすることとなり、QOLを低下させます。
仕事やスポーツ、家事の際にお困りという方だけでなく、趣味を楽しめないという方も、お早めに当院にご相談ください。手外科では、手の骨・関節、筋肉、腱、靭帯、神経、血管に関する豊富な知識を持った医師が診療を担当します。当院では手の手術も関節鏡で対応しております。
手外科で対応する疾患
ばね指
指を曲げた時の痛み、指を伸ばした時の引っかかる感じといった症状を伴います。引っかかった感じがした後、反発するバネのように一気に指が伸びることから「ばね指」と呼ばれます。どの指にも起こり得ますが、特に親指、中指、薬指で好発します。
放置していると関節が硬くなり、指を伸ばせなくなる可能性があります(関節拘縮)。こうなると治療はより難しくなるため、早めの治療が大切です。
手根管症候群
手のひらの付け根(手根部)にある骨と靭帯で構成されるトンネル状の器官を「手根管」と呼びます。そして、何らかの原因によって手根管の中を通る正中神経が圧迫され、人差し指と中指を中心とした手の痛み・しびれが現れるのが「手根管症候群」です。深夜や早朝に症状が強くなる、手を振ると症状が一時的に軽くなるという特徴を持ちます。
放置していると、親指の付け根の筋肉が痩せていき、物を指でつまむ、ボタンを留めるといった動作が困難になります。この筋肉の痩せによって痛みが軽減したように感じられ、受診が遅れてしまうことがあります。気づいた時点で、早めに受診をしてください。
ガングリオン
関節包や腱鞘に変性が生じることで、手や手指の関節にしこりが形成される病気です。20~40代の若い女性によく見られますが、その理由についてはっきりとしたことは分かっていません。
通常痛みはありませんが、部位によっては神経を圧迫し、痛み・しびれなどの症状を伴うことがあります。また大きさも米粒大のものからピンポン玉大のものまで、多様です。
痛みなどの症状がある場合、見た目の問題がある場合には、注射での吸引や手術による切除が行われます。
肘部管症候群
肘の内側の肘部管において、尺骨神経が刺激され、麻痺が生じている状態を指します。肘の内側から小指・薬指にかけての痛み、痺れなどの症状を伴います。悪化すると、手の筋肉が痩せたり、小指・薬指を伸ばせなくなったりするため、日常生活中でさまざまな支障をきたします。
スポーツや労働、靭帯・筋肉による圧迫、加齢による骨の変形などが主な原因となります。
野球肘
野球などにおける投球動作の繰り返しによって、肘の内側や外側、後方で痛みが出るスポーツ障害です。特に、成長期のお子様で好発します。
投げ過ぎが主な原因ですが、フォームに問題があるケースも見られます。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニスやゴルフなどにおけるスイング動作の繰り返しを主な原因として、肘の外側に痛みが出るスポーツ障害です。重いフライパンを振る料理人の方に発症するケースも見られます。
痛みは、主に肘の外側から上腕にかけて発生します。また、手首を伸ばした時に痛みが強くなります。しびれを伴うこともあります。
TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷
手首にある遠位橈尺関節を安定させる靭帯をはじめとする支持組織を「TFCC」と言い、これが損傷した状態が「TFCC損傷」です。
遠位橈尺関節が不安定になることで痛み、前腕の動きの制限が生じます。
主に、手関節への繰り返しの衝撃、1回の強い衝撃によって発生します。野球、テニスで好発します。
母指CM関節症
親指(母指)の付け根の関節の軟骨が擦り減り、骨同士が擦れることで起こる変形性関節症です。親指付け根の手首に近い部位が出っ張る他、物をつまむ、掴む動作の際に痛みが出ます。進行すると、親指を開くことが難しくなります。
親指の酷使や加齢などが主な原因と考えられます。特に、閉経後の女性に多く発症します。
尺骨突き上げ症候群
先天的に、あるいは骨折などを原因として、前腕骨の尺骨が橈骨よりも長いことから、手首の小指側の痛み、手関節の動きの制限が発生します。
放置していると、TFCC損傷や関節軟骨障害を合併することがあります。
ヘバーデン結節
指の第一関節(DIP関節)が変形する病気です。関節の痛み、腫れなども伴います。
はっきりとした原因は分かっていませんが、40歳以降の女性に好発するため、女性ホルモンが発症と関係しているのではないかと言われています。
ブシャール結節
指の第二関節(PIP関節)が変形する病気です。関節の痛み、腫れなども伴います。
ヘバーデン結節と同様に、はっきりした原因は分かっていません。また、40歳以降の女性に好発します。
マレット指(槌指変形)
指の第一関節が曲がったまま、伸ばすことができない状態です。通常、痛みはありません。
伸筋腱断裂による腱性マレット指と、末節骨の関節内骨折による骨性マレット指に分けられます。前者はスワンネック変形を、後者は関節の脱臼に進展するおそれがあるため、早めに受診しましょう。
リウマチ
進行すると、関節の変形も出現します。
かつては「不治の病」と恐れられていましたが、現在では生物学的製剤を用いた治療等が登場し、予後も改善されています。進行する前に診断を受け、早期に治療を開始することが大切です。
当院ではリウマチ専門医が対応させて頂きます。
このような症状はありませんか?
リウマチの主な症状は、手指、手首、肘、肩、膝、足首、足指などの関節に現れます。
- 関節の痛み、腫れ
- 関節のこわばり(特に朝方)
- 運動時、安静時の関節の痛み
- 寒い時に手足の指が冷え白っぽくなる
- 上腕、大腿の慢性的な筋肉痛
- 血液検査でリウマチ因子、抗核抗体の陽性を指摘されたことがある
リウマチの原因
はっきりとした原因は分かっていませんが、免疫の異常が発症に関与しているのではないかと考えられます。
遺伝、感染は関係のないことが分かっています。
リウマチの検査・治療
問診、視診・触診を行い、血液検査、レントゲン検査などを行い、診断します。超音波検査、MRI検査が必要になることもあります。
治療では、抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などを使用した薬物療法を行います。また、関節の機能を維持するためのリハビリテーションも併用します。関節の保護のため装具を使用することもあります。
保存療法で十分な効果が得られない、変形などの関節の障害が残ってしまう場合には、手術を検討します。
手の痛み・違和感、
リウマチでお悩みの方は
当院へご相談ください
当院では、丁寧な診察と正確な診断、一人一人に合った治療を提供しておりますので、「おかしいな」と感じた時にはお早めにご相談ください。
また、すでに他院で診断・治療を受けているけれどうまくいかないという場合には、セカンドオピニオンとして当院をご利用ください。